【クァンゼイル派・魔操秘法】
- 入門条件
- 50名誉点(蛮族)/100名誉点(人族)
魔法がもたらす現象には、さまざまなものがあります。それらの中でも、“マナそのものに干渉する”魔法こそが真髄であるとして、その極致を追究したのが、「クァンゼイル派・魔操秘法」です。
クァンゼイルとは、かつて存在したドレイクの名であり、この流派の代表的人物を指しています。もっともクァンゼイル本人としては、自身が首魁というつもりはなかったようで、同志たちとは対等に接しようとしていたようです。
魔操秘法の極意は、火炎や吹雪などのわかりやすい効果をもちません。この傾向は、単純で破壊的な効果を好む多数派の蛮族たちには共鳴しがたいものであり、学ぶ者は多くありませんでした。しかしながら実際には、マナそのものを巧みに操る技術は、魔法をもちいた戦闘において大きな意味をもちます。魔操秘法に熟達した高弟たちは、ひとたび戦場に出れば驚異的な魔法使いとして戦局を左右した――と記録されています。
なお、同時期に隆盛した他流派に【ラーグドゥーラ派・魔壊覇党】があり、思想を真逆とするこれらの流派は、互いを敵視し、戦争状態にあったようです。クァンゼイルとラーグドゥールが相打ちとなって以降、敵意は凝り固まり、こんにちまで引き継がれています。
流派装備
これらの流派装備は、魔法の行使にかかわる汎用的な恩恵を与え、魔法をもちいた戦闘を助けるものとなっています。
いずれもが稀少なマジックアイテムであり、入手は容易ではありません。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈マナ織りのマント〉 | 14 | 装飾品:背中 | 3,500 +20名誉点 | 「対象:術者」の魔法の消費MP-1 |
〈深秘の衣/妙想と深秘の衣/冠絶せし深秘の衣〉 | 16/18/20 | 〈非金属鎧〉A/S/SS | 6,600 +20名誉点/44,000+50名誉点/220,000+100名誉点 | 魔力+1/+2/+3 |
〈不惑なる智者の仮面〉 | 22 | 装飾品:顔 | 48,000 +70名誉点 | 魔法に対する精神抵抗力判定の基準値を魔力に置き換えられる |
〈瑞気のベルト〉 | 18 | 装飾品:腰 | 60,000 +100名誉点 | 特定の戦闘特技を習得しているごとにMP+10 |
秘伝魔法
これらは、すべて操霊魔法です。コンジャラー技能をしかるべきレベルで習得したキャラクターは、名誉点を支払うことで、これらの魔法を習得できます。
- 2
- 【コンサイン・
インパクト】
- 必要名誉点
- 10
- 消費
- 4
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 20秒(2ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 一度だけ、近接攻撃に「コンジャラー技能レベル」点の追加ダメージ
- 効果
攻撃時に炸裂するマナの塊を預けます。
効果時間中、対象が最初に近接攻撃のダメージを算出するとき、その値に「術者のコンジャラー技能レベル」点の追加ダメージを与えます(これは「算出ダメージ」(⇒『Ⅰ』144頁)に対して加算されます)。また、その攻撃を魔法の武器によるものとみなします。
効果を発揮した時点で、この魔法は消滅します。
- 4
- ≫【オーバープラス】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP10
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- MPをより多く消費することと引き換えに魔法行使判定+1
- 効果
多くのマナを消費することで、魔法の出力を高めます。
効果時間中、術者は、魔法を行使するに際して、MPを過剰に支払うことを選択できます。MPを過剰に支払った魔法の行使判定には、+1のボーナス修正を得ます。
過剰に支払うことを選択したならば、その魔法の「消費」には、「その魔法のレベル」点のMPが追加されます。(《魔法拡大/**》による倍加は、この追加をおこなった後の値を基準とします)
(例:《魔法拡大/威力確実化》のもと【アシッド・クラウド】(⇒『Ⅱ』163頁,『MA』81頁。操霊魔法8レベル、「消費:MP10」)を行使する際に“過剰に支払う”ならば、本来の「10」点に魔法レベルの「8」を加えて「消費:MP18」相当となり、これを倍加して最終的には「36」点のMPを消費することになります)
- 7
- ≫△【リファイン・
コート】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP8
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 30秒(3ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 〈マナコート〉や〈深秘の衣〉装備中の防護点+1
- 効果
〈マナコート〉に巡らせるマナをより洗練し、防御性能を高めます。
この魔法は、術者が〈マナコート〉ないしは〈マナコートプラス〉(⇒『ET』123頁)、あるいは、流派装備〈深秘の衣〉ならびにその上位品を装備していなければ効果がありません。
効果時間中、術者の防護点を+1します。
- 10
- 【ソリッド・
マイア】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP12
- 対象
- 1エリア(半径6m)/
空間
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 30秒(3ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 概要
- 行動判定-2の空間をつくりだす
- 効果
半気体・半固体のマナの靄を発生させ、行動を阻害します。
効果範囲内にいるキャラクターは「網や蔦、泥などに絡みつかれている」(⇒『Ⅰ』103頁)ものとしてあつかわれ、行動判定に-2のペナルティ修正を受けます。
効果範囲から出ることでこのペナルティ修正は消滅し、効果範囲に入ることで(再び)ペナルティ修正が発生します。
この魔法は、行使時点の術者の「魔力」よりもレベル(冒険者レベル・魔物レベル)が高いキャラクターには効果がありません。
- 13
- 【マナ・
アイソレーション】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP22
- 対象
- 任意の地点
- 射程/
形状 - 1(10m)/
起点指定
- 時間
- 30秒(3ラウンド)
- 抵抗
- なし
- 概要
- 魔法を減衰させる効果をもつ、マナの壁を立てる
- 効果
「壁を作製する魔法に関する注釈」(⇒『MA』65頁)も参照してください。
厚さ30センチ、高さ3m、長さ10mをそれぞれ上限として、マナの壁を立てます。壁は透明で視線を遮らず、物体を素通りさせます。形状は直方体にかぎられ、折ったり曲げたりするかたちで立てることはできません。また、かならず地面から垂直に立てられます。(他の“壁を作製する魔法”とは異なり)すでに物体や生物があるところを貫くかたちで立てることができます。
この壁は、魔法を素通りさせますが、この壁をまたがるかたちで行使される魔法に対しては、それを受ける者の抵抗の判定に+4のボーナス修正を与え、その魔法から受けるダメージを「5」点軽減します。
「形状:射撃」「形状:起点指定」の魔法では、当該魔法の術者と目標を結ぶ直線上に壁があるならば、壁をまたがっているものとみなします。「形状:貫通」の魔法では、貫通が通過した範囲(⇒『MA』58頁)をこの壁が遮るならば、壁より遠くに対しては壁をまたがっているものとみなします(なお熟練戦闘においては、“左右1m幅”を壁が完全に遮る場合にのみ、これを満たします)。「形状:突破」の魔法では、この壁はなんら影響しません。
また、範囲に影響を与える魔法(⇒『MA』57頁)では、範囲の中心地点から個々のキャラクターまでを結ぶ線分をこの壁が遮るとき、壁をまたがっているものとみなします。
ただし、上記いずれの場合にも、座標が壁と重なっているキャラクターは、便宜上、壁の影響を受けないものとします。
この壁は、キャラクターの滞在や移動をなんら妨げません。
よって、「壁を作製する魔法に関する注釈」のうち、壁が滞在や移動を妨げうることを前提とした記述は、この壁についてはあてはまりません。