ゆとシートⅡ for SW2.5

ドラゴン強化(総則・総覧) - ゆとシートⅡ for SW2.5

ドラゴン強化(総則・総覧)

総則

以下に「ドラゴン強化」のルールを定義します。

趣旨

「ドラゴン強化」とは、騎獣のドラゴンを――とくに、個々の戦い方に合わせて――強化するためのルールです。

ドラゴンそのもの、そして竜と騎手の組み合わせドラゴンライダーの個性を強調することを意図しています。

本ルール採用における注意

なお“強化”であるため、本ルールを適用すると、必然的にドラゴンはデータ上で強力になります(しかもノーリスクかつノーコストで)。採用にあたって、GMとプレイヤーは、この点をふまえておかなければなりません。

適用できるドラゴン

「ドラゴン強化」を適用できるのは、専有騎獣となっているドラゴンのみです。

“ドラゴン”とは、具体的には「ドラゴンインファント」「ドラゴネット」「レッサードラゴン」を想定しています。ただし、GMがドラゴンであると判断するならば、これら以外の騎獣に適用することもできます(たとえば、亜種のドラゴンをGMが自作する場合などが該当しうるでしょう)。

ドラゴン強化のデータ構造

ドラゴン強化は、便宜上、アイテムのデータ構造を流用しています。キャラクターシート上でも、アイテムの欄に記入することを想定しています。

ただし、「基本取引価格」「知名度」「形状」「製作時期」の項目はもちません。

取引不能

ドラゴン強化は、構造こそアイテムのそれを流用していますが、かたちのある物品ではありません。

そのため、取引(譲渡や放棄を含みます)はできません

取得については、後述する「ドラゴン強化の取得とレベル」を参照してください。

ドラゴン強化の種類

ドラゴン強化のデータは、いずれも〈ドラゴン強化/**〉というカテゴリをもっています。

「**」には「属性」「戦術」「特殊能力」「鱗」「牙」「翼」「尾」「脚」のいずれかが入ります。

それぞれ、「属性」はドラゴン固有の属性、「戦術」は騎芸との連携、「特殊能力」は既存の特殊能力、「鱗」「牙」「翼」「尾」「脚」はドラゴンの身体部位にかかわる強化であることを示しています。

ドラゴン強化の取得とレベル

各ドラゴン強化には、「レベル」が設定されています。

騎獣レベルがドラゴン強化に定められる「レベル」に達していないかぎり、そのドラゴン強化は取得できません

逆に、騎獣レベルがドラゴン強化に達してさえいれば、費用などを必要とせずに任意のドラゴン強化を取得できます。

ゲーム処理においては、ドラゴン強化の取得は瞬時に反映されます。ただし、プレイの複雑化を避けるために、キャラクター(PC)の成長をおこなうタイミング以外では、原則として取得すべきではありません(GMも認めるべきではありません)。

また設定上は、ドラゴンがあらたな能力を獲得するためには、相応の時間がかかると考えるのが自然です。本来は、短くとも数週間、長ければ数年以上の時間を要すると考えて、ロールプレイに反映することをお勧めします(――繰り返しになりますが、ゲーム処理上は所要時間が定められていないこともまた、留意してください)。

1カテゴリにつきひとつまで

一頭のドラゴンは、同じカテゴリのドラゴン強化は一種類しか取得できません

たとえば、“〈ドラゴン強化/牙〉と〈ドラゴン強化/翼〉をひとつずつ取得する”ことはできますが、“二種類の〈ドラゴン強化/牙〉を取得する”ことはできません。

裏返すと、カテゴリが互いにことなるかぎりは、ドラゴン強化を取得する数に制限はありません。

(たとえば騎獣レベル14以上であるなら、「属性」「戦術」「特殊能力」「鱗」「牙」「翼」「尾」「脚」をひとつずつ、しめて8つのドラゴン強化を取得できます)

ドラゴン強化の置き換え

多くのドラゴン強化には、名称の末尾に「Ⅰ」「Ⅱ」などのローマ数字が付加されています。

この数字の大きなものほど、同じ系列のドラゴン強化のなかで、より強力な/発展的な効果を有しています。

同じ系列のなかでは、ドラゴンの騎獣レベルがおよぶかぎり最も高位の(=数字の大きい)ドラゴン強化を適用してください。(これは「適用できる」のではなく「適用しなければならない」ものです)

なお、効果から格別に参照されていないかぎり、高位のドラゴン強化は下位のドラゴン強化の効果をもちません。たとえば、下位の効果が「防護点+1」で上位の効果が「防護点+2」であったとき、“合わせて+3”とはならず、「+2」のほうのみが適用されます。

(格別に参照される場合は、“「(下位のドラゴン強化の名称)」の効果に加えて”などと記述されています)

総覧

以下に、すべてのドラゴン強化のデータを一覧化します。

「概要」は、簡略化された言い回しとなっているものがままあるため、厳密な効果は個別のデータ詳細を参照してください

ドラゴン強化/属性

“属性”のドラゴン強化には、ドラゴンに新たな属性を獲得させるものと、既存の属性に特化させるものとがあります。

名称レベル概要
第二属性Ⅰ14炎、水・氷、風、土、雷、純エネルギーのうちひとつに対する抵抗+4
第二属性Ⅱ15「第二属性Ⅰ」で選択した属性に対応する「[◯]**無効」「[▶]**のブレス」を得る
特化属性Ⅰ14[◯]**無効」と同じ属性の算出ダメージ+1
特化属性Ⅱ15[◯]**無効」と同じ属性の算出ダメージ+2

ドラゴン強化/戦術

“戦術”のドラゴン強化には、主に騎芸にかかわる恩恵が設定されています。

名称レベル概要
協働する竜Ⅰ11【遠隔指示】が有効となる限界の距離+5m
協働する竜Ⅱ14【遠隔指示】が有効となる限界の距離+10m
挺身する竜Ⅰ11【騎獣の献身】にかかる生死判定+2
挺身する竜Ⅱ14【騎獣の献身】にかかる生死判定+4&出目を「4・4」とみなせる
空襲する竜Ⅰ11[◯]飛翔」中、【高所攻撃】が適用される騎手の攻撃のダメージ+1
空襲する竜Ⅱ14[◯]飛翔」中、【高所攻撃】が適用される騎手の攻撃のダメージ+2
突貫する竜Ⅰ11【チャージ】のダメージ+3。【トランプル】における移動力+3m
突貫する竜Ⅱ14【チャージ】のダメージ+5。【トランプル】における移動力+5m
機動する竜Ⅰ11【姿勢堅持】のペナルティを-3に軽減
機動する竜Ⅱ14上記に加え、条件付きで騎手の《足さばき》を騎獣に適用
俯瞰する竜Ⅰ11[◯]飛翔」中、【騎乗指揮】の効果範囲を「全エリア(半径40m)」に変更
俯瞰する竜Ⅱ14一定条件下で、【騎乗指揮】の効果範囲を「全エリア(半径50m)」に変更
同様の条件下で【騎乗指揮】が与えるボーナス修正を「+3」に増加

ドラゴン強化/特殊能力

“特殊能力”のドラゴン強化には、ドラゴン本来の特殊能力(「練技」「魔法適性」「**のブレス」「搭載」)にかかわる恩恵が設定されています。

名称レベル概要
竜の練体Ⅰ練技【ストロングブラッド】を習得
竜の練体Ⅱ10練技【ストロングブラッド】を習得&[部位:翼]のMP+3
竜の練体Ⅲ13【ガゼルフット】【キャッツアイ】【マッスルベアー】からひとつを習得
[部位:胴体][部位:翼]のMP+3
竜の練体Ⅳ15上記に加え、【リカバリィ】の効果を「9点回復」に変更
竜の秘蹟Ⅰ[▶]ワードブレイク」を習得(基準値6)
竜の秘蹟Ⅱ10[部位:胴体]が「[▶]ワードブレイク」を習得(基準値12)
[▶]**のブレス」を「対象:1体」として使用する際に誤射を起こさない
竜の秘蹟Ⅲ13一定の選択肢から戦闘特技ひとつを習得
竜の秘蹟Ⅳ15上記に加え、《ルーンマスター》を習得
竜の霊威Ⅰ[▶]**のブレス」のMP消費量を「3点」に変更
竜の霊威Ⅱ10[▶]**のブレス」の対象を「1エリア(半径4)/10」に変更
竜の霊威Ⅲ13[▶]**のブレス」の射程を「2(30m)」に変更
竜の霊威Ⅳ15[▶]**のブレス」の威力を「35」、射程を「2(35m)」に変更
竜の輸送Ⅰ[◯]搭載=1」を得る
竜の輸送Ⅱ10[部位:胴体]が「[◯]搭載=2」を得る
竜の輸送Ⅲ13[部位:胴体]の「[◯]搭載=2」を「[◯]搭載=3」に変更
竜の輸送Ⅳ15上記に加え、搭載されているキャラクターにも「[◯]飛翔」のボーナス修正を与える

ドラゴン強化/鱗

“鱗”のドラゴン強化には、生存にかかわる恩恵が設定されています。

名称レベル概要
耐久の竜鱗ⅠHP+3
耐久の竜鱗Ⅱ10すべての部位のHP+3
耐久の竜鱗Ⅲ14すべての部位のHP+5
堅硬の竜鱗Ⅰ防護点+1
堅硬の竜鱗Ⅱ10[部位:胴体]の防護点+1
堅硬の竜鱗Ⅲ14[部位:頭部][部位:胴体]の防護点+1
剛健の竜鱗Ⅰ毒、病気属性の効果に対する生命抵抗力判定+1
剛健の竜鱗Ⅱ10生命抵抗力判定+1。コア部位の生死判定+1
剛健の竜鱗Ⅲ14生命抵抗力判定+1。コア部位の生死判定+2
抗魔の竜鱗Ⅰ呪い属性以外の魔法に対する精神抵抗力判定+1
抗魔の竜鱗Ⅱ10魔法に対する精神抵抗力判定+1
抗魔の竜鱗Ⅲ14精神抵抗力判定+1。精神効果属性に対しては追加で+1
消散の竜鱗Ⅰ「抵抗:消滅」の魔法に対する生命・精神抵抗力判定+1
消散の竜鱗Ⅱ10「抵抗:消滅」の魔法に対する生命・精神抵抗力判定+2
消散の竜鱗Ⅲ14「抵抗:消滅」「抵抗:短縮」の魔法に対する生命・精神抵抗力判定+2
減殺の竜鱗Ⅰ抵抗成功時、受ける魔法ダメージ-1。呪い属性には無効
減殺の竜鱗Ⅱ10受ける魔法ダメージ-2。呪い属性には無効
減殺の竜鱗Ⅲ14受ける魔法ダメージ-2(呪い属性にも有効)
盤石の竜鱗Ⅰ「炎」「水・氷」「風」「土」「雷」属性から受けるダメージ-1
盤石の竜鱗Ⅱ10上記に加え、それら属性の効果に対する生命・精神抵抗力判定+1
盤石の竜鱗Ⅲ14上記に加え、それら属性のダメージのクリティカル値+1(※上限12)
金鋼の竜鱗Ⅰ「断空」「衝撃」のうち選択した属性から受けるダメージ-3
金鋼の竜鱗Ⅱ10「金鋼の竜鱗Ⅰ」の効果に加え、抵抗成功時はさらに1点軽減
金鋼の竜鱗Ⅲ14「金鋼の竜鱗Ⅰ」の効果に加え、抵抗成功時はさらに2点軽減
磊落の竜鱗Ⅰ物理・魔法の適用ダメージが「1」点のとき、それを「0」点に置き換える
磊落の竜鱗Ⅱ10物理・魔法の適用ダメージが「2」点以下のとき、それを「0」点に置き換える
磊落の竜鱗Ⅲ14物理・魔法の適用ダメージが「4」点以下のとき、それを「0」点に置き換える
無欠の竜鱗Ⅰ弱点隠蔽判定+1
無欠の竜鱗Ⅱ10弱点隠蔽判定+2
無欠の竜鱗Ⅲ14弱点隠蔽判定+3

ドラゴン強化/牙

“牙”のドラゴン強化には、「牙」による攻撃や、[部位:胴体](ドラゴネット時)・[部位:頭部](レッサードラゴン時)の特殊能力にかかわる恩恵が設定されています。

名称レベル概要
穿鋭の竜牙Ⅰ「牙」による攻撃に「[🗨]捨て身攻撃Ⅰ」を宣言できる
穿鋭の竜牙Ⅱ11「牙」による攻撃に「[🗨]捨て身攻撃Ⅰ」または「[🗨]牽制攻撃Ⅱ」を宣言できる
決殺の竜牙Ⅰ「牙」による攻撃の打撃点決定の出目が11以上ならダメージ+8
決殺の竜牙Ⅱ11「牙」による攻撃の打撃点決定の出目が10以上ならダメージ+10
纏気の竜牙Ⅰ「牙」による攻撃を魔法の武器によるものとする
纏気の竜牙Ⅱ11上記に加え、補助動作で「牙」に属性を与えられる
砲吼の竜牙Ⅰ[▶]**のブレス」の判定+1
砲吼の竜牙Ⅱ11[▶]**のブレス」の判定+1、その合算ダメージ+1
呪唱の竜牙Ⅰ騎芸【威嚇】の判定+1
呪唱の竜牙Ⅱ11騎芸【威嚇】の判定+1。騎獣の魔法行使判定+1

ドラゴン強化/翼

“翼”のドラゴン強化には、[部位:翼]や「[◯]飛翔」にかかわる恩恵が設定されています。

名称レベル概要
迅翔の竜翼Ⅰ11飛行移動速度+2
迅翔の竜翼Ⅱ14飛行移動速度+4
勁靭の竜翼Ⅰ11[部位:翼]の生死判定+2
勁靭の竜翼Ⅱ14[部位:翼]の生死判定+4
舞天の竜翼Ⅰ11[◯]飛翔」中、[部位:翼]の回避力判定+1
舞天の竜翼Ⅱ14[◯]飛翔」中、[部位:翼]の回避力判定+2
静搏の竜翼Ⅰ11[◯]飛翔」中、制限移動距離+1m
静搏の竜翼Ⅱ14[◯]飛翔」中、制限移動距離+2m
固壁の竜翼Ⅰ11[部位:翼]両方が健在かつ接地中、[部位:翼]の防護点+1
固壁の竜翼Ⅱ14[部位:翼]両方が健在かつ接地中、[部位:翼][部位:胴体]の防護点+1
豪打の竜翼Ⅰ11[🗨]渾身攻撃」時の命中力判定+1
豪打の竜翼Ⅱ14上記に加え、「[🗨]渾身攻撃」のリスクを「-2」に軽減
嵐撲の竜翼Ⅰ11[部位:翼]が「[◯]連続攻撃」を得る
嵐撲の竜翼Ⅱ14[部位:翼]が「[▶]2回攻撃」を得る

ドラゴン強化/尾

“尾”のドラゴン強化には、「尻尾」による攻撃や[部位:胴体]にかかわる恩恵が設定されています。

なお、現時点では、尾のドラゴン強化はすべてレベル14のものであり、上位・下位の概念がありません。

名称レベル概要
強撃の竜尾14「尻尾」による攻撃に「[🗨]渾身攻撃」を宣言できる
的中の竜尾14「尻尾」による攻撃に「[🗨]狙い打つ」を宣言できる
猛攻の竜尾14[部位:胴体]が「[◯]限定2回行動」(一方は「尻尾」による近接攻撃)を得る
庇護の竜尾14[部位:胴体]が「[🗨][△]かばうⅠ」を習得
均整の竜尾14[部位:胴体]を含めた【獅子奮迅】において、ペナルティ修正を「-1」に軽減

ドラゴン強化/脚

“脚”のドラゴン強化は、データごとに性質が大きくことなります。

名称レベル概要
走破の竜脚Ⅰ地上移動速度+2
走破の竜脚Ⅱ10地上移動速度+4
走破の竜脚Ⅲ13地上移動速度+6
軽捷の竜脚Ⅰ【探索指令】による罠回避判定+1
軽捷の竜脚Ⅱ10【探索指令】による罠回避判定+1。騎獣の受け身判定+1
軽捷の竜脚Ⅲ13【探索指令】による罠回避判定+1。騎獣の受け身判定+3
巧技の竜脚Ⅰ騎乗判定+1
巧技の竜脚Ⅱ10騎乗判定+2
巧技の竜脚Ⅲ13騎乗判定+2。「[◯]攻撃障害=不可・+2」
斬裂の竜脚Ⅰ「鉤爪」による近接攻撃をおこなえる
斬裂の竜脚Ⅱ10[部位:胴体]が「鉤爪」による近接攻撃をおこなえる
斬裂の竜脚Ⅲ13
援助の竜脚Ⅰ騎獣由来でない落馬の落下ダメージを「4」点軽減
援助の竜脚Ⅱ10騎獣由来でない落馬の落下ダメージを「8」点軽減
援助の竜脚Ⅲ13騎獣由来でない落馬を打ち消す
更新履歴
2024-08-17 01:05
初版
製作者:ViVi🦈