“破壊の機神”メガンデス
(第二の剣/小神:アルフレイム大陸・一部種族間)聖印と神像
メガンデスの聖印は、“歯車”と“武器”を組み合わせて意匠化したものです。他の多くの神格のそれに比べて複雑な形をとり、製作は相応に困難ではありますが、この神の信徒の多くは技師であるために、あまり問題をきたしていないようです。
神像は、魔動機を従えたアンドロスコーピオン族の男として造られます。
神格と教義
メガンデスは元々アンドロスコーピオン族であり、〈大破局〉において猛威を奮った技師です。
かれは早期から魔動機に着目して深い見識をもち、人族の魔動機を鹵獲・改造して密かに戦力に変えていきました。そして、いざ〈大破局〉が始まればそれらを的確に動員し、いくつもの拠点を壊滅へと追いやりました。果ては、人族が〈大破局〉終結のために投入した決戦級魔動機兵(⇒『ML』58頁)のいくつかを奪取することにすら成功したほどの辣腕です。この一件は、人族陣営にとりわけ深刻な損失をもたらしたと伝わっています。
その手腕と功績を認められ、かれは小神へと引き上げられました。ここで、これを昇格させた存在については、ダルクレムであろうと目されているものの、明確にはわかっていません(この神の信徒は、もっぱら蛮族であり、蛮族たちはそうした経緯の詳細に頓着しません)。
メガンデスの教義は、兵器による軍事力の増強と、それをもちいた実力行使を奨励するものです。
具体的にどのような兵器であるのかは、教えの文言のうえでは定められていません。弩などの個人用のものから、複数人で運用する戦車、攻城用の投石機など、いずれもが対象です。とはいえ、この神格が成立した時点から現代にいたるまでにおいて、最も強力な兵器である魔動機こそが、やはりその筆頭ではあります。
信徒たちには、魔動機について研究し、それを利用する技術を向上させ、そして継承を図っているものが多くいます。これは、技術開発とその継承を軽視しがちな蛮族たちの中にあって、きわめて特異なことです。
最も典型的なこの神の信徒は、魔動機を活用するアンドロスコーピオン族です。正味、信徒総数の八割以上がアンドロスコーピオン族と目されており、アンドロスコーピオン族は他種族との交流が少ないことから、あまり世に知られていない神格となっています。
また、兵器を含めて人族の文化への造詣の深い、オーガ族にも、比較的多く信者が確認されています。
それ以外の蛮族のあいだにはろくに浸透しておらず、神格の認知すらされていないことがほとんどです。ですが、(技術を軽視しがちとはいえ)戦いに生きる蛮族たちには“兵器”との接点があることから、そこからメガンデスの声を聞くにいたるケースはあります。
なお、人族の信徒は見られませんが、“兵器の開発・運用を重視する者が、たまたま声を聞いてしまう可能性”はあるのではないか――と賢者たちは想定しています。
歴史の浅い神であり、信者もごく少ないことから、小神のなかでも力の弱い存在です。
しかしながら、蛮族であったころにもたらした軍事的打撃は記憶に新しいため、当時の詳細を知る者のあいだでは恐れられているのも、また事実です。
格言
「弾丸は、多いほどよい。そのいずれかは敵を貫く」
「力を蓄えるべし。蓄えた力は振るうべし」
「鋼は血を滴らせ、血は鋼を研く」
他の神との関係
“戦神”ダルクレム(⇒『Ⅰ』359頁,『ET』50頁)
メガンデスを引き上げたのは、ダルクレムであると推測されています。
“機甲神”アールマータ(⇒『MA』48頁)
互いが蛮族と人族であったころに、戦場で争ったことがある――と伝承されています。もっとも、具体的な地名や時代などはあいまいにされており、後付けの創作ではないかとも言われます。
特殊神聖魔法
- 2
- ≫△【アーマメント・
オピニオン】
- 消費
- MP2
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10分(60ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 兵器にまつわる判定+2
- 効果
機神に祈ることで、兵器にまつわるひらめきを得ます。
術者は、兵器にまつわる判定に+2のボーナス修正を得ます。(例として、特定の兵器について知っているかを問う「見識判定」や、目の前にある兵器に対しての「文明鑑定判定」などに有効です)
ただし原則として、戦闘における判定には効果をあらわしません。例外は「魔物知識判定」であり、「分類:魔法生物」「分類:魔動機」のうち“兵器”にあたるとGMが認める魔物に対しては、このボーナス修正を得られます。
この魔法の効果は、ひとたび適用された時点で消滅します。
- 4
- 【ブースト・
ウェポン】
- 消費
- MP3
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 魔動機の近接攻撃・遠隔攻撃の物理・魔法ダメージ+3
- 効果
魔動兵器の出力を一時的に向上させます。
この魔法は、「分類:魔動機」のキャラクターに対してのみ効果があります。
対象がおこなう近接攻撃・遠隔攻撃を魔法の武器によるものとし、それが発生させる物理・魔法ダメージを+3します。
- 7
- ≫【イグノア・
プロテクション】
- 消費
- MP6
- 対象
- 1体
- 射程/
形状 - 2(無限)/
起点指定
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 必中
- 属性
- 呪い
- 概要
- 対象の【ミサイルプロテクション】を無視する
- 効果
相手の防御をすり抜けて飛び道具を的中させる呪いを刻みます。
効果時間中、術者がおこなう射撃攻撃は、対象が帯びている【ミサイルプロテクション】(⇒『Ⅱ』202頁,『MA』138頁)ならびにそれに準ずる効果(〈ミサイルトラッパー〉や、一部の魔物の特殊能力など)を無視します。
術者が騎手として「分類:魔動機」の騎獣に騎乗しているあいだは、その騎獣も同様の恩恵を得られます。
- 10
- ≫△【コネクト・
システム】
- 消費
- MP10
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 神聖魔法と魔動機術の魔力を互換する
- 効果
術者は、神聖魔法か魔動機術の魔力を参照するとき、それらのうちより高いほうの魔力を参照できます。
(たとえば、〈ガン〉による攻撃のダメージにおいて、神聖魔法の魔力を参照できます)
- 13
- ≫【フルメタル・
ジェノサイダー】
- 消費
- MP12
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 20秒(2ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 属性
- 呪い
- 概要
- 〈ガン〉、魔動機術、指示下の「分類:魔動機」の魔物(騎獣)のダメージ+2
- 効果
機神の祝福により、魔動機による破壊力を向上させます。
術者がおこなう〈ガン〉による攻撃、術者が行使する魔動機術、術者が指示する「分類:魔動機」の魔物(騎獣)の行動について、それらが発生させる物理ダメージ・魔法ダメージを+2します。
効果時間中にこの魔法を再度行使すると、効果時間を更新したうえで、効果を累積させられます。最大で+6まで累積します。
この魔法は、10秒(1ラウンド)に1回までしか行使できません。