【北ウルシラ平野の知恵】
(ウルシラ地方・平原地帯)- 入門条件
- 無条件(グラスランナー)/30名誉点(一般)
ウルシラ地方北東の平野部に棲む、グラスランナーたちがもつ技術です。
もっとも、当のグラスランナーたちはこの技術を体系的に認識してはおらず、それぞれ断片的に、“生活の知恵”のようなかたちで捉えています。
実際、研究や研鑽によって編み出されたものというよりは、“グラスランナーたちの自然体の振る舞いのなかで、功を奏したものの集合体”と認識するほうが適切です。ですので、便宜上は流派データの一種として定義しているものの、これを“流派”として認識する者は、ラクシアにはいません。
かれらの技には、グラスランナー特有の“魔法破り”にかかわるものを除くと、さほど特殊なものはありません。それなりの体術の心得さえあれば、動作として再現することは難しくないものがほとんどです。
ですが、実戦で活かすとなると、これは一気にむずかしくなります。というのも、人族一般の価値観では、戦闘中にとり得ないような振る舞いが多く含まれるからです。そうした事情から、グラスランナー以外のものが活用することはむずかしいと言われています。
流派装備
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈目隠しのマント〉 | 0 | 装飾品:背中 | 100 +5名誉点 | 脱ぎ捨てることで相手の回避力判定に-1 |
〈クッションハット〉 | 0 | 装飾品:頭 | 300 +5名誉点 | 受け身判定+1(グラスランナーは+2) |
秘伝
入門者がグラスランナーの場合、個々のデータが定める名誉点を支払わずに、「必要名誉点の3倍」の日数にわたって師事の対象と行動を共にすることでも、秘伝を習得できます。この日数は、各秘伝の「前提」を満たした時点から計上をはじめます。同時に複数の秘伝の計上を進めることはできません。
《どこかなどこかな?》
- 必要名誉点
- 10
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅰ》変化型
- 前提
- 《必殺攻撃Ⅰ》
- 限定条件
- 1Hかつ刃武器
- 使用
- フェンサー技能 or バトルダンサー技能 or グラップラー技能
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 隠密判定成功時、命中力判定+1、防護点3無視。失敗時、命中力判定-1
- 効果
ちょこまかと動き回り、相手の意識の隙を突いて攻撃します。
この秘伝を適用した近接攻撃をおこなうに際しては、まず隠密判定(⇒『Ⅰ』111頁)をおこない、攻撃対象の危険感知判定と達成値の比べあいをします。秘伝の宣言者が能動側です。魔物データのキャラクターの危険感知判定は、データに具体的な定めなき場合、「魔物レベル」を基準値とします。この隠密判定は、「所要時間:一瞬」としてあつかい、“周囲の状況確認”が不要です。
宣言者が有利な結果となったなら、相手の不意を突くことができるとし、適用した近接攻撃の命中力判定に+1のボーナス修正を得て、そのダメージは防護点を「3点」まで無視します。《鎧貫き》と併用した場合は、《鎧貫き》によって防護点を半分にしたうえで、その一部を無視します(もっとも、限定条件の都合から、《鎧貫き》との併用は〈エッジドアーム〉(⇒『Ⅱ』242頁・『ET』95頁)のようなごくかぎられた武器でしか成立しません)。
宣言者が不利な結果となったなら、相手に対応されたとして、適用した近接攻撃の命中力判定に-1のペナルティ修正を受けます。防護点を無視する効果も発生しません。
この秘伝は、《乱撃》などで複数のキャラクターを対象にとっている場合には効果がありません。
(なお、基礎特技とは「使用」「適用」の規定が異なることに注意してください)
《やっぱりあっちかな?》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅱ》変化型
- 前提
- 《必殺攻撃Ⅱ》
《どこかなどこかな?》
- 限定条件
- 1Hかつ刃武器
- 使用
- フェンサー技能 or バトルダンサー技能 or グラップラー技能
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 隠密判定成功時、命中力判定+1、防護点6無視。失敗時、命中力判定-1
- 効果
無視できる防護点が「6点」であることを除き、《どこかなどこかな?》と同様の効果です。
《ざんねん! こっちだよ!》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《牽制攻撃Ⅲ》変化型
- 前提
- 《必殺攻撃Ⅲ》
《やっぱりあっちかな?》
- 限定条件
- 1Hかつ刃武器
- 使用
- フェンサー技能 or バトルダンサー技能
- 適用
- 1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 隠密判定成功時、命中力判定+1、防護点9無視
- 効果
無視できる防護点が「9点」となり、さらに隠密判定で不利な結果となった場合にも命中力判定へのペナルティ修正を受けないことを除き、《どこかなどこかな?》と同様の効果です。
(なお、「使用」からグラップラー技能が外れていることに注意してください)
《あぶなーい!?》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《回避行動Ⅰ》
- 限定条件
- 2H非装備・非保持、
〈金属鎧〉非装備
- 使用
- —
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- 物理ダメージを半減する試みが可能。試みると転倒。失敗時ダメージ「+敏捷度ボーナス」。自動失敗時、防護点0
- 効果
あえて大きく吹き飛ばされることで、攻撃を受け流します。
習得者に対する物理ダメージが算出されたとき、この秘伝の効果を発揮することを選べます。
ただし、習得者が転倒している場合や、そのダメージをもたらす行動への受動的な判定の権利がなかった場合には、発揮を選べません(“受動的な判定の権利がなかった場合”とは、気絶などなんらかの要因によって判定が自動失敗となる場合や、物理ダメージを発生させる効果が「抵抗:必中」である場合などが該当します)。
また、「用法:2H」のアイテムを装備ないし保持している場合や、〈金属鎧〉を装備している場合も、発揮を選べません。
効果の発揮を選んだならば、その「合算ダメージ」(⇒『Ⅰ』143頁)を目標値として、「受け身判定」(⇒『Ⅰ』111頁)をおこないます。
受け身判定に成功したならば、適用ダメージの導出において、まず合算ダメージを半分にします。この“半分にする”処理の詳細は、「抵抗:半減」のそれに倣います(たとえば、端数は切り上げます)。
判定に失敗した場合は、逆にダメージが「+敏捷度ボーナス」点されます(より多くのダメージを受けてしまいます)。自動失敗であるなら、さらにそのダメージには防護点を適用できなくなります。
その後、判定の成否にかかわらず、習得者は転倒します。
《あぶなくなかった!!》
- 必要名誉点
- 40
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《回避行動Ⅱ》
《あぶなーい!?》
- 限定条件
- 2H非装備・非保持、
〈金属鎧〉非装備
- 使用
- —
- 適用
- —
- リスク
- —
- 概要
- 物理ダメージを半減する試みが可能。試みると転倒。自動失敗時、防護点0
- 効果
失敗時のダメージの増加がないことを除き、《あぶなーい!?》と同様の効果です。
(自動失敗時の防護点の適用不可は、依然そのままです)
《ちょちょいのちょいっと》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《マルチアクション》変化型
- 前提
- 《ワードブレイク》 or 魔法破り
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の近接攻撃または《ワードブレイク》(魔法破り)
- リスク
- なし
- 概要
- 近接攻撃と《ワードブレイク》(魔法破り)を同時におこなう
- 効果
魔法などの効果を手早く解除します。
基礎特技における「魔法行使」が《ワードブレイク》に置き換わった効果をもちます。
《ワードブレイク》は魔法行使ではないため、移動が制限移動にかぎられるという制約はありません。
グラスランナーのキャラクターは、種族特徴[マナ不干渉]の6レベル強化による“魔法破り”が可能となることでこの秘伝の「前提」を満たし、また、秘伝の宣言・効果において《ワードブレイク》の代わりに“魔法破り”を実行できます。
(希少種アリーシャも同様です。希少種クリメノスは、“魔法破り”ができないため、これに該当しません)