【メシャルキナ殲闘教義】
(ウルシラ地方・スフバール聖鉄鎖公国)- 入門条件
- 50名誉点
この流派は、ウルシラ地方の北端・スフバール聖鉄鎖公国の、メシャルキナ機関という組織が管理・運用しています。
スフバールは、対魔神・対魔域の観点では、大陸全土でも最先端と呼べる地域です。それゆえ、それらとの戦いを有利に運ぶ術はたゆまず模索されています。
そうした研究と研鑽によって発見された戦法を、教義として整理し、浸透させているのがメシャルキナ機関です。
「メシャルキナ」とは、かつてこの国で活躍した、強大な魔法使いの姓です。
魔神との戦いで大戦果を挙げたメシャルキナは、騎士団の要職につくことを当時の公王から提案されました。ですがメシャルキナはそれを辞し、代わりに、対魔神の戦技研究を専門とする部門の設立を意見しました。これが、メシャルキナ機関の始まりです。
以来、最前線で運用し、そのフィードバックを受けて改善され続けてきたメシャルキナ機関の技には、きわめて実戦的なものが揃っています。
設立者が魔法使いであったことと国の歴史と国民の気質から、神聖魔法・奈落魔法を念頭に置くものとはなっていることには注意が必要ですが、技術面の洗練度合いにおいては、まさに大陸一です。冒険者ギルド本部にすら引けをとりません。
機関の有する教義は国の貴重な財産ですが、一定以上の実績と身元の保証がある者については、外国人であっても学ぶことを認めています。
これは、“奈落”と魔神の脅威を打ち倒すことこそを優先する国是と、外部の者の知見をも教義の改善に活かすという実利が合わさった結果です。
そうした外部の者たちの中には、真語魔法や操霊魔法などでこの流派を駆使する例もあります。
なお、各技法には、無味乾燥とした「~~ドクトリン」という正式名と、慣例的に呼ばれる詩的な別名があります。スフバールの国民は熱心なハルーラやイーヴの信徒が多いことから、あえて慣例名を認めることで、浸透が図られているのです。
秘伝データにおいては、ハイフンの手前が正式名、ハイフンより後ろが慣例名であり、両者をつないでデータとしての名称となっています。
流派装備
〈メシャルキナの調律具〉は、秘伝を使用するために必須となる装飾品です。
他方、〈魔滅の聖印〉〈魔滅の刃加工〉については、秘伝と無関係な、それ自体が明確な恩恵をもつ装飾品です。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈メシャルキナの調律具〉 | 15 | 装飾品:耳 装飾品:首 装飾品:手 装飾品:腰 装飾品:足 | 8,000 +30名誉点 | HP・MP+1/知力+1/同時装備で秘伝の条件を満たす |
〈魔滅の聖印〉 | 13 | 冒険者技能用アイテム 装飾品 | 2,500G +30名誉点 | 魔神に与えるダメージが+1される〈聖印〉 |
〈魔滅の刃加工〉 | 15 | 冒険者技能用アイテム 武器や防具の強化 | 1,500/3,000/4,500/7,500 +30名誉点+3アビスシャード | 近接攻撃の攻撃対象に対して【ファスト・ペイン】【スラッシュ・イメージ】のダメージ+1 |
秘伝
限定条件の〈メシャルキナの調律具〉とは、〈オーロラオーラの装飾品〉と〈トワイライトオーラの装飾品〉を同時に装備している状態を意味します。〈メシャルキナの調律具〉の解説も参照してください。
《集中撃滅ドクトリン - 闇射る想い》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《魔法収束》
- 限定条件
- 〈メシャルキナの調律具〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- 生命・精神抵抗力判定-2
- 概要
- 「対象:1体」の魔法のダメージを半減させない
- 効果
魔力を超高密度に圧縮し、防御不能の魔法を繰り出します。
「対象:1体」かつ「抵抗:半減」の魔法を、1体の対象のみに行使する場合にかぎって適用できる秘伝です。
この「対象:1体」の制約は厳密なものであり、「1体全」「1体X」「1体+1体」などはすべて適用外です。
別途宣言する《魔法収束》によって「対象:1体」に変化した魔法は、制約を満たします。
「対象:1体」であっても、《魔法拡大/数》によって複数の対象をとる場合には、制約を満たしません。
(制約のルールが後述の秘伝《絶ち薙ぐ祈り》とは異なることに注意してください。《絶ち薙ぐ祈り》は、「術者」「1体全」「1体X」を許容します)
適用された魔法は、“「抵抗:半減」の処理”(⇒『Ⅰ』189頁・『MA』63頁)において、算出ダメージが半減されなくなります。
ただし抵抗による、クリティカルが発生しない点と、付随効果が無効になる点は、依然として有効です。あくまで、算出ダメージの半減にかぎって抵抗の影響を無視する効果、と認識してください。
(なお、別途《クリティカルキャストⅡ》も宣言し併用した場合には、その効果によってクリティカルも発生し得ます)
秘伝の宣言者は、リスクとして、続く10秒(1ラウンド)のあいだ、生命・精神抵抗力判定に-2のペナルティ修正を受けます。
《衝撃制圧ドクトリン - 地揺する願い》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《バイオレントキャストⅠ》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈メシャルキナの調律具〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 魔法のダメージにおいて「断空」属性を「衝撃」属性に変更する
- 効果
魔力の質を調節し、もたらす破壊の性質を変化させます。
この秘伝は、「断空」属性の魔法ダメージを与える魔法行使1回に対して宣言し、適用します。
適用された魔法が発生させる魔法ダメージは、「断空」の代わりに「衝撃」属性となります。
【アビス・ヴォーテックス】(⇒『AB』13頁)のように属性が無作為に決定される魔法には、効果がありません。
《複合制圧ドクトリン - 空衝く願い》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《バイオレントキャストⅡ》変化型
- 前提
- 《衝撃制圧ドクトリン - 地揺する裁き》
- 限定条件
- 〈メシャルキナの調律具〉
- 使用
- 魔法使い系技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 「断空」か「衝撃」の魔法のダメージを「断空かつ衝撃」にする
- 効果
この秘伝は、「断空」もしくは「衝撃」属性の魔法ダメージを与える魔法行使1回に対して宣言し、適用します。
適用された魔法が発生させる魔法ダメージは、「断空」と「衝撃」のうち、元の属性に含まれていないほうの属性が追加されます。(つまり、結果として「断空かつ衝撃」属性となります)
【アビス・ヴォーテックス】(⇒『AB』13頁)あるいは【アビス・ストーム】(⇒同16頁)のような、属性を無作為に決定する奈落魔法に適用した場合には、特殊な処理として、「無作為に決定した後の属性に、断空と衝撃を追加する」という効果になります。
奈落魔法以外の、属性が無作為に決定される魔法には、効果がありません。
《強化猛襲ドクトリン - 絶ち薙ぐ祈り》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《マルチアクション》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈メシャルキナの調律具〉
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の魔法行使と、付随する1回の近接攻撃
- リスク
- なし
- 概要
- 自身に3倍の効果で魔法を行使してから近接攻撃
- 効果
強い誓いのもと、絶大な一撃を実現します。
この秘伝は、基礎特技とほぼ同様の機能をもちますが、2つの制約が追加されます。
ひとつめの制約は、秘伝の効果のもとおこなう「魔法行使」と「近接攻撃」において、その順番が「魔法行使→近接攻撃」にかぎられることです。
ふたつめの制約は、秘伝の効果のもとおこなう魔法行使において、その対象が術者本人のみにかぎられることです。
このとき、「対象」が「術者」の魔法はもちろん、「1体」「1体全」「1体X」の魔法を、術者本人のみを対象として行使することも認められます。また、別途宣言した《魔法収束》を適用したうえで「1エリア(半径△△)/X」の魔法を術者本人のみに行使することも認められます。
「1体」「1体全」「1体X」「1エリア(半径△△)/X」であっても、術者以外を対象に含む魔法行使は、認められません。
これらの制約と引き換えに、この秘伝のもとでおこなう近接攻撃では、秘伝のもと行使した魔法による「命中力判定へのボーナス修正」「ダメージを上昇させる効果」が、本来の3倍の値で適用されます。
(たとえば、【セイクリッド・ウェポン】(⇒『MA』96頁)であれば、「蛮族・アンデッドに対し、命中力判定+3、物理ダメージ+6」として作用します)
これが発揮されるのは、この秘伝の効果によっておこなう近接攻撃1回のみであり、それ以外の(残りの)時間は本来の(=等倍の)値どおりです。
(「命中力判定へのボーナス修正」「ダメージを上昇させる効果」以外には、この秘伝は影響しません。例として、【ソニック・ウェポン】のクリティカル値を低下させる効果や、【マルチプルアクター/クラッシュベア】の主動作を追加する効果などには、影響しません)