血塗られし供儀
- 知名度
- 20
- 形状
- 暗い赤紫色に染まった、禍々しい装飾の杖
- カテゴリ
- 〈スタッフ〉B
- 製作時期
- 魔動機文明
- 概要
- 魔神の使役に必要なマナを血で代用する
- 効果
-
このアイテムは、〈小魔の封入具〉としての加工(⇒『ML』30頁)をあらかじめ施されている武器とみなします。
また、魔神の召喚と使役にまつわる以下の特殊能力を有しています。
[◯]捧ぐ血汐
装備者は、「魔神の召喚に際するMP消費」および「魔神行動表のキャンセルに際するMP消費」、ならびに、召異魔法【リコマンド】【イビルコントラクト】【マイティデーモン】【ブランチ】【デーモンスワップ】【デモンズスナップ】【ソウルサクリファイス】の消費MPについて、その一部ないし全部を、同点のHPによって支払うことができます。そうするとき、HPは0以下となるようにも支払うことができますが、0以下となったならば(当然ながら)、生死判定が発生します。この生死判定には、その時点で受けている“送還判定へのペナルティ修正”(⇒『ML』31頁)に等しいペナルティ修正を受けます。
[◯]身代わりの血汐
このアイテムには、〈人族の血液〉(⇒『BR』66頁)を溜めておくことができます。
〈人族の血液〉をこのアイテムに溜めるには、あらかじめ“血液”を用意したうえで、儀式を必要とします。儀式は、デーモンルーラー技能を習得しているキャラクターでなければおこなえず、また、10分の時間が必要です。
溜めておけるのは、最大でHP20点分(=〈人族の血液〉20個分)を基本とし、そこから「儀式をおこなうキャラクターのデーモンルーラー技能レベル」に等しい点数だけ増加します。また、《武器習熟A/スタッフ》《武器習熟S/スタッフ》《武器の達人》のうち、儀式をおこなうキャラクターの習得しているひとつにつき、さらに+10点分されます。(たとえば、デーモンルーラー7レベルで《武器習熟A/スタッフ》を習得しているキャラクターが儀式をおこなうなら、20+7+10=37点分が上限となります)
装備者は、一部の召異魔法(具体的には【ブラッドミスト】)の「消費」に定められるHP消費か、「[◯]捧ぐ血汐」によるHPの支払いをするとき、その一部ないし全部を、このアイテムに溜めてある〈人族の血液〉を同等の点数に相当するだけ消費することで代用できます。
[◯]滴る血汐
装備者が魔神を使役しているあいだ、1点以上の適用ダメージをHPに受けるたび、「[◯]身代わりの血汐」における“血液”が1点分蓄積されます。これは装備者による簡易的な“儀式”とみなし、「[◯]身代わりの血汐」と同様の点数上限をもちます。
[◯]贖いの血汐
装備者は、その使役している魔神が、その魔神行動表の結果として「無差別」または「無差別1体」を対象とした行動をおこなうとき、その対象を装備者とすることができます。(2体以上を対象とする「無差別**体」には、これを適用できません)
そうしたとき、装備者はその行動に対して、回避力判定、生命・精神抵抗力判定、そのほか効果を免れるないしは軽減するための判定をおこなえません。
武器としての性能
用法 必筋 命中 威力 C値 追加D 射程 備考 2H 10 +1 20 12 ―
由来・逸話
魔法文明において“奈落”を生み出してしまったことへの反発から、魔動機文明時代では(現代よりもさらに)魔神使いに対する忌避感が強くありました。対魔神・対“奈落”の主流は魔動機術および魔動機兵となり、デーモンルーラーの技を使う者はほとんどいなかったのです。
しかし、そうした中にあっても、魔神を使役するための研究が、ひそかに進められていました(――その一部は、比較的安全に魔神をあつかえる術として、現代におけるデーモンルーラー技術体系の礎となっています)。
この第八世代の魔剣は、その当時に作られた「効率的な魔神使役技術」のプロトタイプの一種です。膨大なるマナを自在に操った魔法王たちとは異なり、有限のマナをやりくりする必要があった魔動機文明時代の術師たちのために、マナの代わりに“血”で補う仕掛けが組み込まれています。
また保険として、魔神の危害が誰かにおよびかねないとき、それを術者に差し向けるための術式も組み込まれています。もっとも、魔神使いが斃れれば魔神は制御を離れてしまいますから、これは実際の安全性を目的としたものというよりは、当時にあって魔神使役の研究を続けるための建前だったと考えられています。
迷宮の傾向
この魔剣がつくりだす迷宮には、多数の魔神が出現します。
そして、挑戦者に“犠牲”を強いる謎掛けや戦いを仕掛けてきます。
派生・下位複製
製作当時は、あらたな召異魔法のかたちが模索されていた時期であったため、似て異なる魔剣がいくつか製作されたようです。
一方で、どれも魔動機文明時代のうちには主流とならず、普及にはいたりませんでした。そのため、現代に残された個体は(下位複製も含めて)多くはありません。